【スタッフブログ】 株式会社 フーム空間計画工房 北海道札幌市中央区の一級建築士・建築設計事務所

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2014年 04月 05日

2014年4月2日旭川の引渡し

3年前に住宅の相談に来られた方は、土地を旭川に購入したものの遠方の離島に転勤となり、時間はあったもののメールと少ないうちあわせの中で完成まで至りました。一般的住宅地ですが高低差があり南側に遮るものがない恵まれたロケーションです。総二階建で35坪の住宅にベランダと2台分のカーポートが付設しています。
リビングダイニングは2階にありダイナミックな眺望が得られ、開放的な空間となっています。一方一階は個室中心でトイレ、お風呂、洗面等のユーティリティーが設置されます。老後の心配をする方が多いようですが、本当に必要になったら一階のどこかの個室にミニキッチンを置きダイニングに改造する提案をしています。それよりも高齢になっても足腰元気で長生きできることをのぞみます。
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ごく普通の住宅地ですが高低差を利用したレイアウトでダイナミックな眺望を確保しています。
建物の外装仕上げは高性能グラスウール200mmの外に通気層をとったうえ道産のトドマツを縦張りにして水性ステインで仕上げています。よくメンテナンスは大変でしょうと聞かれますが、全く逆でサイディングやタイル、塗り壁と比べ最もメンテナンスの手間のかからない仕上げとなっています。少なくとも塗りなおさなくとも腐る心配はありません。
板張りだから腐らないのではなく、腐らないように工夫した仕上げにしているということです。
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さほど大きくない住宅に広い土間空間をとり薪ストーブを置きます。そのために玄関ホールと階段ホールを兼ねたプランをよく作ります。
ちょっとおしゃれな色を選んだので引き渡しには間に合いませんでした。週末など余裕のある時は、薪ストーブで主要な部屋の暖房をまかないます。セントラルヒーティングが設置してありますが、薪ストーブで暖かくなるとその熱をサーモスタットが感知して止まることで化石燃料は節約できます。
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浴室の様子ですが引っ越しと同時に浴槽を設置しますので引き渡し時にはまだ入っていません。暖房や換気計画、更に窓、手すりの設置などに制限が多々あるユニットバスは採用していません。浴室はかびやすいと思われがちですが、その原因に温度と換気が大きくかかわります。常に住宅の中では最も高温で乾燥しやすくなるよう計画します。
また脱衣コーナーなど浴室と連続する床は同じ防水材で連続させます。床で傷むところがぐんとヘリます。床が濡れることはありますが室内は基本的に乾燥しているので脱衣籠などは同じ空間に置いています。勿論大工工事で作ります。
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洗面化粧台の天板に木を使うことは独立からそう遠くない今から18年前から始めました。当時から大きな問題が起きたことは不思議とありませんが、更に改良を重ねて今日の形にたどり着きました。木だから素敵だけど手入れが大変とかいう話ではありません。より安心して長く使えるように細かい工夫をしているということです。
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テラスドア下の埋め込みヒーター
足元まで開くドアの下にはパネルヒーターを付けたくないと思うのが設計者、ユーザーともに希望するところですが、このテラスドアこそ最も冬期間に熱的に弱いところです。住環境的には床からドアを20センチくらいあげてその下にパネルヒーターを設置するべきですが、妥協点として床埋めヒーターが考えられます。パネルからの輻射熱は期待できませんが床下ヒーターからの熱で窓面を温めて体感温度を下げるのを防ぐ一定の効果があります。
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階段から2階へ
今までスチールの手すりが多かったのですが、最近の私の意識として手触りがとても気になります。触って心地よいとか、とげとげしいとか。
そこであまりスリムさにはこだわらず触って安心な手すりをと思い、設計しました。材質はこれも道産のトドマツです。スマートとは言えませんがこれがなかなか気持ち良いさわり心地です。
そこから二階が開けます。屋根はブローイングを使わずに高性能グラスウールで300mm断熱となっています。構造的な剛性を保つために屋根構造体も構造用合板で固められています。床は35ミリの厚板を上からビス止めというワイルドな仕上げです。これはとても足触りがよく、冬もほかの木質仕上げ材と比較すると暖かく感じます。足から熱を奪う速度が遅いという特徴があります。
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以前キッチンカウンターにカウンター椅子を置いてそこで朝食をとりたいという方がおられました。しかし現実にキッチンカウンターをテーブル代わりに使う人をあまり見たことがありませんでした。私の推測ですがカウンターに手を置いた時にその仕上げがステンレスやプラスチックでは感触が悪く落ち着かないのが原因の一つではないかと。そんなある日お客さんからキッチンカウンターはぜひ木にしてくださいといわれました。当時とても心配でお客さんに腐っても保証しないと言いながらいろいろ工夫してみました。それから12年たった今も何ら問題なく、更に使い込んだ感がとても良い感じのキッチンとなっています。さらに改良を加え今日に至っています。何よりもカタログやショールームで選ぶのではなく一緒にうちあわせして現場で顔なじみの職人が作る楽しさが伝わってきます。
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勿論テレビボードなどの家具も依頼があれば現場で作ります。このテレビボードはチューナーやレコーダーなどを収納しながらリモコンで操作できるように設計してあります。
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リビングダイニングからベランダに出ます。傾斜地の上に立っているので2階のベランダでもとても高く、視界が広がります。
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最後ですが現場を担当した森木が引き渡しの説明をしています。少年のように映っていますがしっかりとベテラン一級建築士です。妥協を許さない現場監理の厳しさには定評があります。久しぶりに詳しく完成住宅を説明させていただきました
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by humu_sapporo | 2014-04-05 00:57 | □ミヤジマ ユタカ


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