【スタッフブログ】 株式会社 フーム空間計画工房 北海道札幌市中央区の一級建築士・建築設計事務所

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2015年 08月 03日

林業という仕事

「とかちの木で家をつくる会」の方々が小樽で引き渡し間近のお家を見学にいらっしゃいました。こちらは道産カラマツを「コアドライ」という林産試験場の最先端乾燥技術を用いて、割れやねじれという倦厭されがちなカラマツ無垢材を、その名の通り芯まで乾燥させ、構造材としてふんだんに使用したお家です。こちらのお家とコアドライに関してはまた追ってご紹介いたします。
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今回、「とかちの木で家をつくる会」さんは倶知安の千歳林業㈱さんを視察するという目的で十勝から早朝ご出発でいらっしゃいました。小樽のこのお家で使用した立派なカラマツをご提供いただいたのもこちらの千歳林業さんということもあり、屈指の林業会社の伐採技術の見学やお話を伺うことができるということで、お願いして視察に参加させていただきました!

途中、同じく千歳林業さんのカラマツを使用した「日本キリスト教団 小樽教会」に立ち寄り見学。挟み梁の並ぶ天井が印象的な、温かい雰囲気の素敵な教会でした。1885年創立という歴史ある教会で、2年前に現在の姿に改築されたということです。床材や椅子、オルガンは古いものを使用しているそうですが、違和感なく溶け込んでいました。
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そして一同は倶知安へ向かい、若干緊張気味で本日のメインイベント、林業会の重鎮にしてカリスマ;角田社長の率いる千歳林業さんへ!
森林資源の現状や樹種別木材用途、千歳林業さんの事業内容を詳細なデータと共にご説明いただきました。印象的だったのは「夢は木のデパートをつくること」という社長のお話でした。どんな希望にも応えられる木を森にストックすること、イコール今どこにどんな木があるのかを正確に把握すること、同時にそのために木を育て森を管理することを意味します。木に深い愛情がなければ言えないことですよね。

続いて一行はバスで71年生カラマツの伐採現場へ。そこでははたらくクルマ好きでなくても目がクギ付けになるくらい、格好いいクルマ達が働いていました。林業先進国のフィンランドのPONSSE社製のアタッチメントを装着した機械です。
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ハーベスタと呼ばれるこの機械は木を切る、枝を払う、玉切りするというすべての作業を一連でできます。ものすごいスピードでまるでゴボウが皮を剥かれて切り揃えられるようにどんどん進みます。あまりにも軽々と手際がいいので勘違いしそうですが、オペレーターの熟練したスキルが必要なお仕事です。同時に労災率が20倍という危険な林業のお仕事。1本1本どんなクセがあって、どうカットすれば無駄を少なく活用できるか、加えてロスのない動きでグラップルという積み込み作業を行う専用車が積み込みやすいよう、用途ごとに切り分け置いていくというのを、瞬時の判断でやっていけるというのがプロ中のプロということです。ラッキーなことに、この日ハーベスタを操縦していたのが実力ナンバー1オペレータの藤原豊さんでした。この日の作業を終え、お疲れのところ私たちに挨拶に来て爽やかにそして熱くお仕事について語ってくださいました。千歳林業さんは技術者を育てるという分野にも力を入れ成果は確実なようです。
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この千歳林業さんのように、機械化導入と高度な技術者の育成で、生産性を上げ利益を生み、利益が出るから後世に財産を残そうと木を植え大切に育てるという循環が生まれると、熱くお話ししてくださった今回の視察のコーディネーターで林業試験場の酒井さん。

暑い日に熱い人たちに丸1日囲まれて、熱中症になってしまいそうでしたが、大変すばらしい体験をさせていただきました! この場を借りてお礼申し上げます。

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この目の詰まった美しいカラマツもほとんどが、梱包材や合板などに加工されてしまうというのが、需要があるとはいえ悲しい現状です。
今後、道産材を利用を利用した今回の小樽のお家のような建物が増え、千歳林業さんのような方々に一層そのお仕事を誇りに思っていただける、そんな家作りをしていきたいです。
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by humu_sapporo | 2015-08-03 00:43 | □ウメハラ ケイコ