【スタッフブログ】 株式会社 フーム空間計画工房 北海道札幌市中央区の一級建築士・建築設計事務所

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2012年 07月 31日

7月27日ついに栗沢のワイナリーが上棟しました

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2011年の初頭からからブルースさん、武部建設さんと3社で打ち合わせ、検討を重ねて来ました。
昨年春にフームが初期模型を提案しました。それまで計画は工期やコストの面で鉄骨で話が進んでいたらしいですが、
我々が参加することになってからはできる限り近所の山で伐った唐松で大工さんが手刻みという方針を打ち出しました。
実際にコスト面で鉄骨が安いかと疑問を持ったことが一つの要素です。空間をただ覆うのでしたら鉄骨のほうが確かにやすいでしょう。
しかしブルースさんのつくるワインはブドウについている野生の酵母で発酵させるやり方。急激な温度変化や結露など室内気候がワインの質に特に影響を与えると考えられます。
鉄骨造で性能を上げるには、ヒートブリッジ対策などとても手間がかかります。また酸性の空間では錆の対策も大変です。
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建設の棟梁は若くて知的な渡部大工さん。職人の勘と緻密な理論を併せ持つ素晴らしい人です。
彼はトラスの構造模型を10分の1、5分の1と制作してそれに荷重をかけて確認します。
作業場見学に訪れたブルースさんが5分の1模型に思いっきり力をかけます。
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このブルースさんはワイン好きならだれもが知る世界最高のワイナリー ナパバレーのロバートモンタヴィのところで醸造家として働いておりました。
今から11年前に栃木ココファームが本格的なワイン作りを目指し指導者として招かれました。
そのこだわりの醸造技術から日本中のこだわりのブドウ生産者から指名でワイン醸造を委託されるようになり、洞爺湖サミットの食事会のワインとしてセレクトされました。
日本に来てココファームの指導をしながら自身の小さなワイナリーを計画しておりました。10年がたち、かねてから調査していた栗沢でいよいよワイナリーの建設です。
このワイナリー計画のポイントになった人物、中澤さんの紹介です。
中澤ビンヤード・中澤さんはブルースさんのワイン作りに惚れて、栗沢でブドウ作りココファームに醸造を依頼してきました。
彼のつくる「KURISAWA BLANE」は生産量自体が少なくまたとても良質なので毎年あっという間に売り切れです。
お宅はワイン用の葡萄畑の脇にあり、今から7年ほど前に私が設計を依頼され古民家の再生材を丸ごと利用し、さらに高気密高断熱化した建てたものです。
この中澤さんからの御紹介でワイナリー計画を白紙から改めて参加することができました。
写真は中澤さんのお宅兼ワインの販売所になってます。外側は断熱材で覆いますが室内の構造は100年前の民家の解体材を表すデザインとなっています。
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本題に戻ります。棟上げ当日も快晴に恵まれ軽快に仕事が進みます。このところ農家には雨不足で困っているのではないかと思います。しかし現場にとっては好都合です。
陣頭指揮をとる渡辺棟梁のもとベテランから若い大工全員の動きがとてもスムーズです。
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トラスの長さは10メートル 下で組んでクレーンで吊上げます。
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いよいよ全景があらわれました。周辺の景色と相まって美しい姿です。
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上棟式であいさつをするブルースさんとその隣、中澤さんです。
最後に武部建設の大工さんたちとブルースさんの記念撮影です。とにかく天候に恵まれここまで順調にすすみました。秋のブドウ収穫までに何とか作業ができる状況まで持っていく予定です。
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軌道に乗れば少量でも日本最高峰のワインができるものと確信しております。
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by humu_sapporo | 2012-07-31 17:02 | □フームからのお知らせ
2012年 07月 31日

チェロのライブと脱原発出前授業の長い一日

遅くなりましたが7月12日のチェロと脱原発授業の長い一日の報告です。
札幌菊水にある総合病院のホールで入院患者さんにしばしの楽しみをとチェロ奏者吉川よしひろさんが慰問に訪れました。彼はこれまでチェロ一本で世界を旅しながら演奏活動を行ってきました.
同時に旅先の老人ホーム、養護学校などでの慰問演奏をライフワークとしています。
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彼はチェロをスタンディングで演奏します。アドリブやその場で自分の演奏を重ねるなどのテクニックを駆使するフリースタイルのパフォーマンスを行います。
この日は「飛んでけ車いす」「パレスチナ医療奉仕団」で地雷で体が不自由になったり、強国による侵略で困難を極める人たちの支援活動のリーダー猫塚医師のバースデー。突然チェロでバースデーソングのサプライズ企画に先生も感激でした。
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彼の海外支援の鉄則はお金、車いすなど現地の団体に郵送するのではなく必ず自分たちが現地に行き、直接困難を抱える人たちと交流して一緒に可能な支援を考えるということ。私も同行してとても勉強することができました。
演奏はアンコールで患者さんと「月の砂漠」合唱で幕を閉じました。
その後会場を会議室に移し脱原発先生かわはらしげおさんの登場です。
かわはらしげおさんは現役の高校教師です。311以来ボランティアで勤務後に脱原発出前授業を行いこの日で130回を数えます。わかりやすく語りかける授業は道新や朝日でも大きく取り上げられました。
テーマは「これからのお話ー核のゴミとエネルギーの行方」
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かわはら先生が核の問題に危機感を抱いたのは高校の教師として赴任した下川町のこと。この町で秘密裏に高レベル放射性廃棄物の最終処分所の計画が進んでいることを地元誌がすっぱ抜き、若きかわはら先生たちは危機感を持ち反対運動をおこしました。その結果この計画は消滅すするのですが、道北の幌延町が受入れを表明してしまいます。それ以来原子力発電に関する勉強と子供たちが危険性を理解するよう教えるようになりました。
写真左手に持っているのは文科省から先生の高校にも配布された教材「知っておきたい放射線のこと」
中身は
自然界にも放射線はあります。
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放射線は医療、科学の分野でとても有効に利用されていますetc
「もちろん本当です。しかしその危険性に関することは一切語られていません。管理されたなかで医療に使うことと、生活圏に大量に放射性物質がまき散らされるということの意味はまったく違います。」
また震災がれきの広域処理は
「地元のためにならず、汚染を分散させるというやってはいけない行為。裏に利権が隠されているのです。」約1時間半にわたり、とてもわかりやすく心のこもった講演でした。
開場からいくつか質問がありました。その中で
「テレビ新聞などでは聞いたことのない話が多く、どうして科学者やジャーナリストは発言しないのか。」
という質問に対して
「京大の小出助教や作家の広瀬隆さんは何十年も前から危険性を訴えていいます。しかし報道されないのです。ぜひ皆さんももし理解されたら一人でも多くの人に話してもらいたいのです。」
脱原発授業は無事終了し開場を変えて打ち上げライブです。吉川さんが再登場です。
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まずは川原先生からのあいさつです。
「私たちは戦っているのではないのです。原発がゼロになるまで一人でも多くの人に語りかけ続けるのです。皆さんも一緒に核のない世界がくるまで頑張りましょう。」
続いて吉川さんの演奏です。鬼気迫るものを感じるすごい熱演です。
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最後にパレスチナ医療奉仕団のメンバーたちと吉川さんのショット
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そして今日の主役左から脱原発先生かわはらしげおさん、チェロの吉川よしひろさん、猫塚医師のお疲れ様ショットです
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by humu_sapporo | 2012-07-31 00:04 | □フームからのお知らせ
2012年 07月 02日

旅するギャベ

ひと月ほど前にフームでカレーパーティーを開催してくれたパキスタン出身のアントニーさん。料理の腕前は大絶賛です!しゃべりすぎだけど・・・・
そのアントニーさんが「旅する木」でギャベ展をひらくので遊びに行きました。
ギャベははまってしまう魅力があります。羊の毛をあまり脱脂せずに素地のまま、もしくは草木染めにして絨毯をおります。毛足が長く、かつ密度が濃いので弾力性が高く汚れにきわめて強いのが特徴。アントニーさんの言葉
「コーヒーでもカレーでも商品にこぼして大丈夫。土足で歩いてもOK」
手触りはラブラドールやプードルを撫ぜ回しているような感じ。
素晴らしく奥深い色あい、自然なのにしっとりとした光沢がある。
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会場は元教室だったところ。時にはマークロスコーのような色彩だったり、モダンを感じるものも多々ありますがすべてイランの遊牧民族の手工芸です。仕事の合間で編むので畳一畳分を1年半くらいかけて織ります。気が遠くなりそうな作業です。
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小物入れに入っているのは染色に使う材料です。中身はウコン、ザクロ、クルミ、ジャジール、アカネ、石英
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日本でも藍、紅花などで絹や木綿を染めてましたね。化学染料には出せない深みと耐久性があります。一時物珍しさに鮮やかなピンクなどの化学染料をつかった品物もありましたがアントニーさんは扱わないそうです。機械織りもありますが今回はすべてハンドクラフトです。
ついでにお店の看板娘(本人が言っている)のアイリーンさんです
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ギャベはまた機会がありましたらご紹介します。我々の絨毯に対する認識が変わります。
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by humu_sapporo | 2012-07-02 20:33
2012年 07月 02日

旅する木、旅するギャベ

日曜日久しぶりに休みをとって当別まで木工房「旅する木」へドライブです。
今から5年くらい前にいろいろな木工家が集合して椅子展を行い、私ものぞきました。技術やデザインを強調したものがたくさんある中、一つの椅子が目に入りました。座り心地のよさととシンプルな形にひかれ作家の名前を記憶しておりました。それが須田さんの「旅する木」です。
昨日は知人のアントニーさんがこの工房で「旅するギャベ」展を行うというのこちらも楽しみでした。
入口では出産を終えたばかりのノンノがお出迎えい。まだ眼も開かない赤ちゃんが二匹と心配そうな母親。すくすく育ちますように。
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まずは工場拝見、昭和34年に建て替えられた木造の体育館で当時ではとても珍しい大断面集成材構造です。当時主流だった鉄骨を使わず薄い木材を何十枚も重ねてアーチ型の大きな梁を作ったのです。このような魅力的な空間で、そしてとても工具が整理されていて仕事に対する姿勢が想像できます。なにせうらやましい。
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製作中の椅子たちです。座が取り付けられれば完成。仕上げオイルには地元産の亜麻仁油を使用。この辺は亜麻の産地なのです。
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ちなみにモダンな仏壇です。開くとこのようになります。このように仏壇もオーダーで製作依頼することができます。d0148036_15195062.jpgd0148036_1520563.jpg
展示室におかれた完成品といろいろな椅子たち 木造校舎は展示スペースとしてもとても魅力的です。椅子も皆とてもきれいで座り心地が素晴らしいです。
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須田さんが家具作家を本気で目指すことになったきっかけはシェーカーの家具だったそうです。敬意を表しシェーカーデザインの子供椅子、そして椅子の開発のために作ったミニチュア椅子です。まずはミニチュアで何台も試作してさらに実物大で完成度を上げます。家具、とくに椅子作りはとても頂点が高く、忍耐力が必要です。
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シェーカーデザインは少ない材料で使いやすく、合理的なクラフトを追求しました。背もたれの穴はフックに掛けるためのものです。掃除のときに邪魔にならぬように。
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ミニチュアの段階で手摺の位置関係などを3次元で確認するそうです。作り手の見える、友達にもなれる家具選びなど魅力的ですね
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今日は良いものを見せて触らせていただきました。次はギャベ展に続く予定です
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by humu_sapporo | 2012-07-02 15:38