【スタッフブログ】 株式会社 フーム空間計画工房 北海道札幌市中央区の一級建築士・建築設計事務所

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カテゴリ:□ウメハラ ケイコ( 5 )


2015年 10月 13日

Replan最新号掲載

Replanの最新号vol.110の巻頭特集「住み家さがしの秘密。」に、6月にこのブログにもアップした南区築13年のhumu設計住宅について掲載されました。
住宅の価値観についてとても充実した内容になっています。
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もともと新築で土地探しの段階からご相談に来ていただいた、小さなお子様2人いらっしゃるご夫婦でした。たまたま売りに出されることになった13年前にhumuで設計したお家を見ていただき、すっかり気に入ってくださり新しいオーナーさんとなりました。
humuにご相談にいらっしゃるお客様はみなさん使い捨ての生活に疑問を持ち、必要ならば手を加えながら使っていくこと、そうすることで味わいが増し価値が増すことを理解し、何十年後かに誰かに喜んで受け継いでもらえるようなお家を...という方ばかりです。
今回この築13年のお家をご購入されたYさんも、無垢の床の傷や梁や外壁の風格の様なものを、新築には出せない付加価値としてご理解された結果のご決断だったと思います。


また、このReplan最新号には「価値の再考」というタイトルで宮島が札幌で最初に設計した築24年のお家とその価値についての記事も掲載されています。
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建物はしっかり作られればとても長持ちします。一方住まう家族の構成は確実に変化しますし、好みもライフスタイルも変わります。この事を念頭において私たちは設計に取り組んでいるつもりです。


10年、20年、30年と魅力的な家でいられるか、住み続ける価値、受け継がれる価値があるのか...
家づくりに限らず何事も目先ではなく将来を見据えてよく考えなければと思う今日このごろです。

ぜひ二つのブログ記事と合わせてReplan最新号を書店でどうぞ!
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by humu_sapporo | 2015-10-13 12:57 | □ウメハラ ケイコ
2015年 08月 03日

林業という仕事

「とかちの木で家をつくる会」の方々が小樽で引き渡し間近のお家を見学にいらっしゃいました。こちらは道産カラマツを「コアドライ」という林産試験場の最先端乾燥技術を用いて、割れやねじれという倦厭されがちなカラマツ無垢材を、その名の通り芯まで乾燥させ、構造材としてふんだんに使用したお家です。こちらのお家とコアドライに関してはまた追ってご紹介いたします。
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今回、「とかちの木で家をつくる会」さんは倶知安の千歳林業㈱さんを視察するという目的で十勝から早朝ご出発でいらっしゃいました。小樽のこのお家で使用した立派なカラマツをご提供いただいたのもこちらの千歳林業さんということもあり、屈指の林業会社の伐採技術の見学やお話を伺うことができるということで、お願いして視察に参加させていただきました!

途中、同じく千歳林業さんのカラマツを使用した「日本キリスト教団 小樽教会」に立ち寄り見学。挟み梁の並ぶ天井が印象的な、温かい雰囲気の素敵な教会でした。1885年創立という歴史ある教会で、2年前に現在の姿に改築されたということです。床材や椅子、オルガンは古いものを使用しているそうですが、違和感なく溶け込んでいました。
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そして一同は倶知安へ向かい、若干緊張気味で本日のメインイベント、林業会の重鎮にしてカリスマ;角田社長の率いる千歳林業さんへ!
森林資源の現状や樹種別木材用途、千歳林業さんの事業内容を詳細なデータと共にご説明いただきました。印象的だったのは「夢は木のデパートをつくること」という社長のお話でした。どんな希望にも応えられる木を森にストックすること、イコール今どこにどんな木があるのかを正確に把握すること、同時にそのために木を育て森を管理することを意味します。木に深い愛情がなければ言えないことですよね。

続いて一行はバスで71年生カラマツの伐採現場へ。そこでははたらくクルマ好きでなくても目がクギ付けになるくらい、格好いいクルマ達が働いていました。林業先進国のフィンランドのPONSSE社製のアタッチメントを装着した機械です。
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ハーベスタと呼ばれるこの機械は木を切る、枝を払う、玉切りするというすべての作業を一連でできます。ものすごいスピードでまるでゴボウが皮を剥かれて切り揃えられるようにどんどん進みます。あまりにも軽々と手際がいいので勘違いしそうですが、オペレーターの熟練したスキルが必要なお仕事です。同時に労災率が20倍という危険な林業のお仕事。1本1本どんなクセがあって、どうカットすれば無駄を少なく活用できるか、加えてロスのない動きでグラップルという積み込み作業を行う専用車が積み込みやすいよう、用途ごとに切り分け置いていくというのを、瞬時の判断でやっていけるというのがプロ中のプロということです。ラッキーなことに、この日ハーベスタを操縦していたのが実力ナンバー1オペレータの藤原豊さんでした。この日の作業を終え、お疲れのところ私たちに挨拶に来て爽やかにそして熱くお仕事について語ってくださいました。千歳林業さんは技術者を育てるという分野にも力を入れ成果は確実なようです。
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この千歳林業さんのように、機械化導入と高度な技術者の育成で、生産性を上げ利益を生み、利益が出るから後世に財産を残そうと木を植え大切に育てるという循環が生まれると、熱くお話ししてくださった今回の視察のコーディネーターで林業試験場の酒井さん。

暑い日に熱い人たちに丸1日囲まれて、熱中症になってしまいそうでしたが、大変すばらしい体験をさせていただきました! この場を借りてお礼申し上げます。

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この目の詰まった美しいカラマツもほとんどが、梱包材や合板などに加工されてしまうというのが、需要があるとはいえ悲しい現状です。
今後、道産材を利用を利用した今回の小樽のお家のような建物が増え、千歳林業さんのような方々に一層そのお仕事を誇りに思っていただける、そんな家作りをしていきたいです。
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by humu_sapporo | 2015-08-03 00:43 | □ウメハラ ケイコ
2015年 06月 10日

南区築12年のhumu住宅のリフォーム

2月にオープンハウスをした築12年の南区のお家に新しいファミリーが住まわれることになりました。お引っ越し前にいくつか気になる部分をリフォーム工事をすることになりました。

まずは洗面所。2つ並んであった洗面器の1つを撤去し、humuでいつも選ぶ使いやすい水栓に交換、痛んでいた天板を新しいタモの無垢材に変えました。オーナーさんが塗ったオイルステインが浸みて木目が更に綺麗に見えます。洗面器を右に移動し、敢えて鏡の正面に持ってこなかったのは、広いカウンターを活かし鏡を使うお化粧や髭剃りと、水を使う洗面や歯磨きを二人同時に並んで行えるようにしたためです。
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新たに製作したTV台カウンター下の収納です。ミシンやアルバムなどがぴったり収まるよう棚板高さも決めています。この写真は塗装前ですがこの後ご夫婦に塗って貰いました。窓枠塗装での経験でもうすっかり手慣れたものでした。
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一番大きく変えたのは浴室です。タイルだった床を剥がしヒーターの管を巡らせました。その上にコンクリートを流し仕上げはいつものお手入れのしやすいFRP防水の床にしました。また、壁の羽目板もシャンプーなどのかかりにくい高さまでカットしてその分FRPを立ち上げました。入口には引戸が付いていましたが、少しでもシャワースペースを広く確保するために撤去。同時にその部分の壁も壊し薄くしました。色の薄い板の幅がおおよそ今回の工事で広くなった部分です。色は他と比べ薄いですが、直に同じような色になっていきます。
そして黒カビが気になっていた木の浴槽は、表面をサンダー掛けして濃い色合いのオイルステインを側面に塗ってもらいました。今までにないシックな雰囲気になりました。これはこれで素敵ですね。
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こちらのお家の木製サッシは外部もアルミではなく木製です。築12年ともなればさすがに色褪せが目立っていましたので、この機会に塗装をお勧めしました。「出来ることは自分たちで」というオーナーご夫妻の決意のもと、かなり大変な作業だったはずですがご夫婦で全ての窓を塗り切りました。時間はかかっていましたがとても綺麗に仕上がっていて工務店さんも感心していました。
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実はこのお客様、始めhumuで新築のご予定でした。ですがオープンハウスでこちらのお家をご見学されすっかり気に入ってくださり、ご購入されました。新しいお家を一から一緒に計画していくことはなくなり、残念な気持ちはありますが、年月が経っても魅力的で住み心地の良い家にhumuの家は成り得るということをご理解していただき、今後も手を掛けながら愛着を持って住んでいただけることを大変嬉しく思います。
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by humu_sapporo | 2015-06-10 12:48 | □ウメハラ ケイコ
2014年 07月 08日

札幌西区「生成りの家」

先週西区で行った「生成りの家」のオープンハウスも無事に終わりましたが、見逃した方のために少しだけご紹介させていただきます。

1階2階合わせて32坪に車1台分のカーポートがついています。外壁は最近人気の木酢液ドブ漬けです。
平均的なボリュームですが、室内は開放的なので意外と広々としています。
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そして何よりも天井も床も無塗装なので、階段の窓からの採光しかない玄関ホールも、明るくすっきり感じられます。そのうち薪ストーヴも置く予定なので、そのスペース確保と煙突囲いの工事はもう済ませてあります。
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子供室は今は一部屋としてドアもつけていませんが、もし将来2人のお子様が個室を必要とした時は壁とドアをつければ2部屋として仕切ることができます。
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寝室にはクローゼットは作らず、階段下のスペースを利用して収納としました。一番高さの取れる部分にはハンガーも掛けられるようパイプも2本取り付けました。玄関ホール側には扉をつけどちら側からでも使用できるようになっています。お子さんの恰好のかくれんぼスペースになりそうですね。
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階段は吹抜け部分のない普通の折り返し階段ですが、有効幅が1m以上あるのでゆったりして見えます。
踏み板はいつものようにうづくり仕上げにしてもらっています。これは特別なブラシでこすることで年輪の柔らかい部分(夏成長部分)だけが削られ、色の濃い硬い部分(冬成長部分)が残り浮き出て見えます。
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2階にはリビング・ダイニング・キッチンそれから小さな書斎があります。
このお家は道産材にこだわってつくられました。
床は厚さ30mmのトドマツ、梁や柱にはカラマツの無垢材が使われています。工場でのプレカットが多い中、大工さんが手刻みで加工してくれました。今回の施工は大元工務店さんです。
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現在は若干緊張するくらい文字通り無垢なトドマツの床も、ご家族が生活していくうちに日に焼け、傷や汚れも多少はついて、いい感じに変化していくことでしょう。オープンハウスに見学にいらしたお子さん達の何人もがこの床でゴロゴロスリスリしているのを見て、理屈なしにお子さんは気持ちの良いものを感じ取るものなんだな~と実感しました。
今回のオープンハウスでもAGRABAHさんにイランの遊牧民の手織り絨毯ギャベを数枚貸していただきました。入居前は家具もなくどうしても殺風景になりがちですが、このような草木染めの自然な色が少し入るだけでグッと部屋の印象が暖かで優しい印象になりますね。
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初期プランでは壁だったこの部分は、壁をやめ150角の柱に合わせ潔く細い本棚にしました。文庫本やCDはすっきり納まり、絵本なども立て掛けてディスプレイすることもできます。
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キッチンなどの家具は大工さんの丁寧な手仕事です。高さ、幅、奥行、引出し割付け全てお客様の使いやすいように決めていただけます。天板は今回はタモを使用し、汚れ防止のためこちらはオイルを塗り込んでいます。最初が一番いい状態で、年月を経てみすぼらしくなっていく素材ではなく、木などのように手入れや補修をしながら使い込むほどに深みが出てくるものを出来るだけ取り入れたいというのがフームの考えです。それが見た目だけではなく、機能面、経済面でも優れているということをこれからもお伝えしていければと思っております。
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今回のオープンハウスではたくさんの方に観ていただきました。オーナーのMさんご協力いただきありがとうございました。そして大元工務店さんをはじめ携わってくれた職人さん関係者の方達にもお礼を申し上げます。
ご家族がこれからこのお家でどんな風に生活され、どんな風に素敵なお家にしていってくださるのかとても楽しみです。このお家でどうか素敵な生活を送られますように。
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by humu_sapporo | 2014-07-08 20:06 | □ウメハラ ケイコ
2014年 03月 10日

吹き抜ける家

こんにちは、そしてはじめまして。フーム入社1年目、まだまだ新人のウメハラです。今日は先日お引渡しが完了した初担当物件をちょっとだけご紹介いたします。

場所は中央区宮の森、160坪という広い敷地にこんな感じで建つ予定でした。
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そして、こんな風にちゃんと模型と同じ形に! (そうでなければ困りますが…)
この感動はきっと初担当時だけのものなのだろうな~と思うと更に感慨深いです。
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今回のおうちの外壁は下川町の木を地元で木酢液に漬けこんだ材を使用しています。木酢液はガーデニングをなさる方は害虫対策などでご使用かもしれませんね。木炭を作る際の副産物としてできる木酢液にプールで
どっぷり浸かっただけで、こんなふうに昔からあったかような風貌になります。下川町では植樹~手入れ~収穫~活用という循環型林業に取り組んでいます。今度見学に行った際にはまた詳しくご紹介しますね。
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こちらのおうちの見所はなんといってもリビング・ダイニングでしょう。フームのおうちには珍しく1階にあります。敷地が広く前面に視界を遮るものがないことと、同居されるオーナーさんのお父さまの動線を考えてのプランです。
玄関を入ってすぐに目に飛び込む吹抜け空間は、実質12畳ほどの面積的には決して広くはないリビングを、明るく開放的で家族が自然と集うようなスペースにしています。ミニライブなどにもうってつけですね♪
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今回リメイクしたTVボードは、和菓子屋さんを営んでいたおじいちゃんがかつてお菓子のショーケースとしてご使用だったいうもの。何らかの形で使いたいというオーナーさんのご希望で、塗装を削り落し床と同じオイルステインで仕上げ、コードを通す穴を開け、脚を付けました。古いものは始末して新居には新しい家具でという気分になりがちですが、おじいちゃんと同い年というこのショーケースを、今まで捨てずに大切にされてきたこと、そして今後もずっと使い続けようというオーナーさんの決意に感服です。こうなるとTVという無機質なものを載せるのはちょっと勿体ない気もしますね。
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最近フームでブームの丸棒の階段手摺です。鉄という素材の持つ冷たい印象をやわらげ、それでいて空間を引き締めるシャープさは失っていません。
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その階段を上ると広縁風のスペースが現れます。1階のリビングと吹抜け、そして2階をつなぐ役割を果たしています。この6畳もあるスペースを、もう1部屋にするとか他の部屋に割り振ることをしなかったことが、今後の暮しのゆとりに繋がることを願っています。
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そして和室の畳はもちろん本畳を使用しています。現在畳の多くは化学畳といわれる芯材にスタイロフォームを用いているもので、昔ながらの稲藁100%の畳床にイ草の畳表というものは少ないそうです。吸放湿に優れているのはもちろん、素足で触れ眠る場所として出来るだけ化学物質は使いたくないという考えからです。草木染めのやさしい色の畳縁とイ草のいい香りで現場に行くたびにゴロゴロしたい気分になりましたが、そこはグッと我慢しました。
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今週末にはお引越しされるそうです。あと足りないのは緑でしょうか。フームの家には木や草花がとても良く似合います。広い敷地を活かしたアプローチと植栽計画が今後楽しみですね。

新しいおうちでの生活が快適で穏やかなものとなりますように。
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by humu_sapporo | 2014-03-10 11:58 | □ウメハラ ケイコ