2014年 07月 10日
7月初旬に開催された、『岡村先生といく「生態学的混播・混植法」の現地検討会』へ 参加してきました。 2日間プログラムされていた予定のうち、私は2日目に参加してきました。 岡村先生は、 その土地にもともと育っていたであろう種類の苗を、多種混ぜ植え、自然競争させながら、 成長させていき、その地に活きる豊かな生態系を成り立たせていこう、という活動をされています。 以前より、フームのブログでも、たびたびご紹介していた、 五天山公園での近自然学セミナーでは、この混播法にて植樹を 行ってきています。 この日はじめに向かった場所は、石狩市の茨戸川河畔でした。 見学した場所は、1998年から約8年間ほど、 石狩市の方々等と共に、砂地であった河川沿いへ植樹活動をされてきたところ。 植え始めのときは、ポット苗だったものたちも、成長の早いものは、人の背丈を優に超す林に。 やり始めから3年ほどは、思うように成長せず、苗の扱い方、植え方等に試行錯誤したそうで、 その結果、海近くの風強い厳しい環境である川沿いでも根づき、無事、成長を保てるようになったとのこと。 足元をみると、確かに砂地ですが、その上には、枯れ葉が重なり。 腐葉土となり、少しずつ土壌が肥えていく気配を感じさせてくれていました。 現在も、場所を茨戸大橋下流に移して、植樹活動を行っているとのこと。 次に向かったのは、同じく茨戸川沿いへ。 近郊の小学3、4年生20名と共に、岡村先生ご指導のもと、一緒に植樹する機会が準備されていました。 ずらりと並んだ苗木は、種から育てられた、ポット苗たち。 好きな苗木を10本つづ選び、直径3mほどの円の中で、植えていきます。 オニグルミ、ハルニレ、ホオノキ、アカイタヤ等など、、、 子供たちも、この名前知ってる!お家のお庭にあるよ!と、嬉しそう。 好きなものを選んで植えるのは、興味がわくきっかけにもなる良い機会。 それが、ふと気がつくと、身近にある樹木だったら、なおさらのことのように思えます。 直径8センチくらいの実生のポット苗は、小さな掌の子ども達でも 自分たちで扱うことが出来る大きさ。 大人は少しサポートする程度で出来ました。 並木のように見られるまで成長には数年必要だけれども、 この位の大きさのポット苗なら、成長の進んだ背丈以上の樹木を植えるよりも、 作業負担が少なく、 実生からの植え込みで土への活着も期待できること、 苗代が高価ではないこと、 等々と思うと、街路樹等に採用されても、確かに費用が押さえられるだろうと想像ができます。 苗木が良く成長するまで、周囲に他の優勢な植物が根づかないよう、 ウッドチップによるマルチングがされていました。 こちらは、昨年、同様のマルチングが行われていた植樹場所。 背丈近くある、ヨシ群の中で、マルチングされたところだけが、 ヨシの発生が少ない様子が見て取れます。 ヨシは、地中の根茎で成長するため、 一度土をほりおこし、ヨシの根茎を取り除き、除去したあとの土をまた元にもどす作業を行うそうです。 新しい土ではなく、同じ土を戻すこと。 その土地が本来あった自然に近い状況を作る、 という意志も、技術と共に、良く感じられた機会でした。 その後、当別の石狩川下流自然再生地区へ移動。 こちらは、2009年より植樹されているとのこと。 広がる草々の中に、砕石でマルチングされたサークルがありました。 こちらは、春先、河川の増水により、一週間くらい、冠水することがあるため、 マルチング材料も流されないよう、砕石にしているとのこと。 こちらも昨年植えたところのようです。 今回は、植樹、植樹後初期段階、十数年後の姿、と通して経過を見学することができ、 とても良い機会でした。 もし、今後、植樹する機会のある市民の方や子供たちが、植樹の際に同様の経緯を一同に見ることができたら、 さらに植えるときに身近なものとして、イメージがわくのではないかとも思います。 そういう機会を想像できるのも、 この20年近くもの間、岡村先生と共同開発された方々の熱い意志があり、 賛同した市民の方々がいたからこそ。 自生種による混植法で、その地に根ざす植樹活動は、生態系の風景と連鎖を培うことと共に、 係わる地元の方々にも根ざしていく活動のように感じました。 今回、子供たちと植えた苗木たちも、どうか無事に、 河畔林として成長し、鳥や動物たちが共に息づいていきますように、と願っています。
by humu_sapporo
| 2014-07-10 18:08
| □モリキ アイ
|
アバウト
気密、断熱、換気、暖房を高いレベルで融合させた快適な室内環境とエコロジーに配慮した住宅建築を提案いたします。住宅設計、店舗設計、民家再生などお気軽にご相談ください。Tel:011-613-5702 by humu_sapporo カテゴリ
全体 □フームからのお知らせ □ミヤジマ ユタカ □モリキ アイ □タカダ ゴロウ □カワセ リイコ □ウメハラ ケイコ □ツクダ タケシ □旧スタッフ タカハシ □旧スタッフ ハスイケ □旧スタッフ アサダ □旧スタッフ ホンマ 未分類 以前の記事
2018年 07月 2016年 12月 2016年 07月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 07月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 07月 2013年 02月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 10月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 ▽フーム空間計画工房サイト
□ホーム
□新着情報 □フームの活動記録 □工法とボイラーの話 □設計・デザインの記録 □民家再生の軌跡 □大工職人と手仕事 □フォトギャラリー □会社概要 □アクセスマップ □メール □サイトに関する問合せ 【住宅雑誌リプラン連載コラム】 ※各画像をクリックするとPDF(電子書類)ファイルを別ウィンドでご覧頂けます。 ▽ 「温故知新」第1回(PDF) 「温故知新」第2回(PDF) 「温故知新」第3回(PDF) 「温故知新」第4回(PDF) ▽このブログはモバイル対応しておりますので、携帯電話のバーコードリーダーで下記のQRコードを読み取ってご利用ください。 ▽ このサイトを翻訳します
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||